現地スタッフの気質を知り、ビジネスをもっと円滑に

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多民族国家を形成しているシンガポールインドネシアマレーシア、仏教の思想が根ざしているタイカンボジアミャンマーラオス、そして公用語が英語で国民の83%がキリスト教徒というフィリピン――。それぞれの国には異なる文化・環境の中で暮らしている人たちがいますが、彼らには一概に「別の人種」と括れないような、ある種の東南アジア人としての共通の気質を見出せることがあります。

東南アジア人である彼らの気質は独特で、日本人には理解しがたい面があるのも事実。とはいえ、ビジネスパートナーとして長きにわたって付き合うつもりなら、そのメンタリティをよく把握しておかなければなりません。日本企業の海外展開を支援する「TENKAI」がお届けするこのコラム、今回は東南アジア人とのビジネスを円滑にするためのヒントについてご紹介します。

現地人と上手に付き合うためのビジネス4箇条

南国の気候をそのまま投影したような素朴で温かい人柄。気さくで、しかもちょっとはにかみ屋で、多くの日本人にとって共感しやすいキャラクター。東南アジア人にそんなイメージを持っている、という方も多いかもしれません。

しかしその反面、「時間を守らない」「約束を破る」「指示したことしかしてくれない」「できないことも安請け合いする」など、ビジネスシーンで彼らの性格に振り回されることも少なくありません。では、どんな点を念頭に置いて彼らと付き合うのがベターなのでしょうか?

1 「時間にルーズな点」はルールで縛る

出勤時刻に遅れる、納期を守らない──この手のルーズさは日常茶飯事ですが、彼らにはもともと「時間に合わせて行動する」という文化・習慣が希薄です。そのため地下鉄の駅やバスの停留所にも時刻表というものがありません。つまり彼らにとって、遅刻や納期遅れはそれほど深刻ではないということ。そんな彼らを管理するのは容易ではありませんが、スタッフにタイムカードを切らせたり、納期を守らない業者にペナルティを科したりしながら、毅然とルールを遵守させるのが一番です。

2 勤労意欲の低さは「標準仕様」と考える

陰で仕事をサボる、知り合いと長電話する──これも、東南アジアのよくある職場風景です。学力・経済力の問題で高等教育を受けられなかった多くの人は、就ける仕事も給与も限られてしまい、高等教育を受けた人のような昇給・昇進も望めません。「ならばせめて少しでも楽をしたい」と思うため、求められた以上の仕事をしたがらないのです。そんな彼らに日本人的な配慮や自発性、自己犠牲の精神を期待するのは間違い。してほしいことはしっかり指示して守らせることが肝要です。

3 「できる」「問題ない」を鵜呑みにしない

仕事を指示されたタイ人がよく口にする言葉に「マンペイライ(ノープロブレム)」がありますが、これを額面通りに受け取るのは危険です。タイ人をはじめとする東南アジア人の多くは、誰かの期待に応えられないことが心情的に耐えられない気質。そのためかなり無理なことでも引き受けようとします。これに、彼らが元来備えている過剰な大らかさも手伝って、安請け合いが横行するのです。彼らが「マンペイライ(できます)」と言ったら、本当にできるかどうかをロジカルに確認しましょう

4 雇い主は「雇い主らしく」、上司は「上司らしく」

東南アジア人に対しては何をおいても威厳が重要です。例えば、職場環境を改善しようと日本人上司が率先して工場内を掃除したとします。日本なら「できた人」となるかもしれませんが、現地では「外国まで来て掃除しているなんて、よほど仕事ができないのか」と思われて嘲笑の対象になりかねません。見栄の文化があり、みっともない行為を嫌がる彼らの前では「雇い主は雇い主らしく、上司は上司らしく」が鉄則。とはいえ、ただ偉そうにしているだけでは信頼関係を築けないので、時には一緒に食事をする(ご馳走する)といった親密さも必要です。

「郷に入れば郷に従え」がコツ

良く言えば大らか、悪く言えばゆるい──それが日本人から見た「東南アジア人気質」と言えるでしょう。日本人の基準からすれば理解しがたいかもしれませんが、親切で面倒見がよく、人情味あふれる人々であるのもまた確か。そんな彼らとうまくやっていくコツは、「郷に入れば郷に従え」の教訓を守ることです。

まずは彼らのキャラクターを知って許容できることは許容し、それが難しい場合には日本的なルールでしっかりフォローしてあげるのが、現地でビジネスを仕切る秘訣と言えるでしょう。きちんとすべきところはきちんとさせ、そうしなくても大丈夫なところではある程度目をつぶってあげる、という硬軟織り交ぜた対応が大切です。

「はじめての海外展開」では、現地の人とうまくやれるか不安も多いはず。そんな場合は、情報収集からプランニング、展示会出展支援、販路開拓までトータルで手伝ってくれるワンストップ型のコンサルティング会社に相談するのがおすすめです。日本企業の海外進出支援実績が豊富な「TENKAI」なら、現地スタッフや現地語を話せる通訳・コーディネーターの手配、バイヤーとのコミュニケーション(フォロー営業)もお任せ。東南アジア人とうまくやれるか不安という企業様を、当社が全面サポートします。

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