小売店かECか!? リアルとバーチャルのメリット・デメリット

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小売かECか

小売店でのリアルな販売は、マーケティングに役立つ

前回のコラムで、香港・ベトナムをはじめとするアジアで商品を売るためには、リアルとバーチャルを組み合わせた販売戦略が大事だと説明しました。今回はそれぞれがどう違うのか、メリットとデメリットを解説しましょう。

「リアル」というのは、現地のデパートや小売店などの店舗で販売する方法です。ご存じのとおり、お客様にとっては実際に手に取って試せるうえ、その場ですぐに買えるというメリットがあります。売る側のメリットとしては、アンテナショップとしてお客様の反応を知ることができるのが、スタート時点においては最大の魅力です。

デメリットは、何といっても経費がかかること。実績のない商品は店に置いてもらうだけでも棚代が別途必要です。たとえ、小売店で扱ってもらえたとしても買い取りは難しく、在庫のリスクも発生します。また、本コラムでも何度か取り上げている「許認可」が必要な食品や化粧品は、販売するまでに手間と時間がかかります。

バーチャルのECは、広範囲に販売できるのが魅力

一方の「バーチャル」は、越境ECに代表されるインターネット販売です。店舗の場合はそこに行ける人しか買えませんが、広範囲のお客様に販売できるのが最大のメリット。また、越境ECの場合には売れてから海外に送るので、在庫を自社で管理できます。さらに、ネットでの広告宣伝と相性がよくプロモーションがしやすい点も魅力でしょう。

ただし、サイトの開設、決済や発注の確認、発送といった作業が発生し、返品交換など小売店に任せていたこともやらなくてはいけません。既存のECサイトを利用する場合でも、例えば中国のネット販売は値引き交渉やクレームが多いので対応が大変です。そして、最大のデメリットは物流。単品では輸送コストが割高になりますし、日本のように宅配便が普及していない国や地域が多いのも不安材料です。

戦略なしでは失敗する。海外だからこそ、プロモーションが重要!

脅かすようなことばかりを書いてしまいましたが、メリット、デメリットを踏まえたうえで、自社商品にどの販売方法が合うのか、戦略を立てることが大事です。リアルにせよバーチャルにせよ、海外展開を始めれば、すぐに人が買ってくれるという甘い考えは捨てましょう。

日本で人気の商品を海外でネット販売したところ、半年間で1つも売れなかったケースがあります。その商品は外国人観光客にも売れていたのに、なぜでしょうか? じつは、ここに落とし穴があります。人気商品だから大丈夫だと思い、何のプロモーションもしていなかったのです。ネットで販売していることが認知されなければ、誰も買いません。小売店も、よほどのブランドでない限り、置いているだけではほとんど売れないのが現実です。

弊社では、商品の特長や現地の市場を把握したうえで、リアルかバーチャルか、あるいはミックスか、最適なチャンネルをご提案しています。現地に弊社オフィスや提携会社があり、それぞれのプロモーションにも対応が可能です。販売戦略や投資の仕方を間違えないためにも、ぜひ一度ご相談ください。